J-POPのCDにカセットテープ版があった!?
今回入手したのは今年の3月にリリースされたJUJUの「さよならの代わりに / 願い」のなんとカセットテープ版です。
一昔前までは音楽の録音された音楽カセットテープが演歌や歌謡曲に限り販売されていた記憶がありますが、最近はそれらを含めて見なくなりました。
今回レコード店で何気なく隅のほうの棚で見つけたのです。
というのはもちろん冗談ですww
カセットテープの音質を検証
一般的にアナログよりデジタルのほうが優れているとされていますが、アナログにも反駁の立場を与えないとかわいそうですので、CDからカセットテープに録音して音質を検証してみました。
音楽カセットテープ作成方法
CDラジカセでCDを再生してテープに録音(昔やったダビングの手順ですw)。
なお、今回録音に使用したテープはだいぶ前にダイソーで購入してしまってあった、2本入りのお世辞にも高品質とは言えないカセットテープです。
ラジカセもしかり。一応SANYO(現在はパナソニックに吸収されています)製ですが、ホームセンターで購入した6000円台の代物です。
比較方法
バージン(1回目の再生)はPCにつないで録音。2回目以降は直接ラジカセのスピーカーで再生。
カセットテープから取り込んだ音源とあらかじめ作ってあったMP3(320kbps cbr)を比較しました。
音質の予想
以前販売されていた音楽カセットテープ(音楽ソフト)は業務用の高価な機材で録音されているためノイズはさほどきにならないが、今回は安物ラジカセで粗悪なテープを使用して録音するため、ステレオはなんとか維持するもののノイズが豊富に乗り、音声の周波数帯域もAMラジオ並に下がってしまう。
比較の結果
手違いでスクリーンごとキャプチャしてしまいました。 余計なものが映ってないといいですがw
うえがMP3でしたがカセットテープからの音源です。
MP3音割れしているじゃないか! はい、その通りです。
最近のCDは音圧が高いものが多く音割れぎりぎりのレベルまで収録されています。
使用したMP3エンコーダーが悪かったのか、MP3の規格の問題かは分かりませんが、MP3形式に変換すると音割れの状態になってしまいます。
音割れと言っても聞いていて全く分からないのですが、データ上では音割れ状態です。
この事実はだいぶ前に知りました。それ以来音割れすることのないAACにエンコードするようにしています。
2つの波形を比較してわかるのは、カセット音源にはノイズが乗っていることと、ダイナミックレンジが狭まっていることです。
一定に入るノイズ(ヒスノイズ、ハムノイズ)とプチプチと不定期ではいるポップノイズなどが確認できます。
周波数帯域はどうなっているのでしょうか。スペクトル分析をみてみました。
△MP3
△テープ
上がMP3、下がテープ音源のそれぞれスペクトル解析の画面です。
テープ音源を見ると原形をとどめているのは10kHzちょっとくらいまです。
AMラジオ並ですねw
10kHz以降はデータがないのかと言うと、減衰しているもののノイズに交じってあるのです。
MP3でビットレートを低くした場合はデータがなくなってしまいます。これがアナログとデジタルの違いです。
デジタル 入り切る情報の量は限られているが、劣化はしない。
アナログ ほぼすべての情報が入るがさまざまな要因で変化してしまう。
デジタルだってノイズが入れば劣化しますが、アナログよりも入りにくく、ほぼ入らないといっても過言ではないでしょう。
結論
カセットテープに収録したことによる音質の劣化の具合は想像していたよりも軽度で、高価な機器を使用しノイズを排除できれば、カセットテープは音楽を記録する媒体としてはさほど悪くはないといえるでしょう。しかし、ノイズを完全に排除することは不可能ですし、再生を繰り返したり長期保管をする間に磁気情報が弱まったり、変わってしまったりして音質が変化してしまうので保管にも向いておらず、デジタルであるCDのほうがそういった面では優れています。
私は音楽は高音質を求める方で、低いビットレートの曲を聞いてると気持ちが悪くなるのですが、アナログは別物です。
ノイズが少ないデジタルの音がかたいのに対して、アナログは非常に温かみのある音です。
アナログはデジタルにはない「あじ」があっていいと思います。
お気に入りの曲をカセットテープに録音して聞いてみるのもいいかもしれませんね。